石川県では、近年、度々大きな地震が発生しています。今年1月には、能登半島で震度7の地震が起きました。
この記事では、石川県の地震活動の特徴と、南海トラフ地震の発生確率と被害想定、そして地震に備えるための対策方法について解説します。
石川県の地震活動の特徴
石川県は、日本海側の地震帯に位置しています。この地震帯は、日本列島の西側に沿って、北海道から九州まで広がっています。
この地震帯では、陸域の浅い場所で発生する内陸地震が主な被害地震となっています。
石川県における歴史的な被害地震の例としては、以下のようなものがあります。
- 1799年の金沢地震(M6.0):金沢市を中心に死者21人、家屋倒壊などの被害が生じた。地盤の液状化現象も多数発生した。
- 1930年の大聖寺地震(M6.3):加賀市大聖寺付近で発生し、震源域付近で被害が生じた。
- 1952年の大聖寺沖地震(M6.5):その沖合で発生し、県下全体で死者7人、家屋半壊などの被害が生じた。
- 1729年と2007年の能登半島地震(M6.6~7.0):能登半島先端付近で発生し、死者、家屋損壊や山崩れなどの被害が生じた。2007年の地震では、輪島市で1人が灯籠の下敷きになって亡くなるなど、輪島市や七尾市を中心に被害が出た。
- 1948年の福井地震(M7.1):福井県で発生した地震で、小松市や江沼郡(現在の加賀市・小松市)などを中心に死者41人、家屋全壊802棟などの被害が生じた。
石川県の主要な活断層は、能登半島に邑知潟断層帯と、その延長上に森本・富樫断層帯があります。
また、富山、岐阜県との県境付近に庄川断層帯が、福井県との県境付近に福井平野東縁断層帯があります。
石川県周辺に震源域のある海溝型地震はありませんが、前述のように、日本海東縁部や南海トラフ沿いで発生する地震で被害を受ける可能性もあります。
南海トラフ地震の発生確率と被害想定
南海トラフは、日本列島の南側に沿って、紀伊半島沖から九州沖まで延びる海溝です。
この海溝では、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んでいます。
この沈み込みによって、プレート間に大きなひずみが蓄積されており、そのひずみが一気に解放されると、巨大な地震と津波が発生します。
南海トラフ地震は、過去にも何度も発生しており、その周期は約100~200年とされています。
最後に発生したのは、1854年の安政南海地震で、その時は、東海地方から九州地方までの広い範囲で強い揺れと高い津波が観測されました。
気象庁によると、南海トラフ地震は、今後30年以内に発生する確率が70%と高いとされています。
この地震が発生した場合、関東から九州の広い範囲で強い揺れと高い津波が発生すると予測されています。
地震対策検討ワーキンググループ(中央防災会議「防災対策推進検討会議」に設置)が算出した被害想定によると、南海トラフ地震では、以下のような甚大な被害が想定されています。
- 死者・行方不明者数:約32.3万人(東日本大震災の約20倍)
- 住宅全壊戸数:約238.6万棟(東日本大震災の約20倍)
- 津波の最大到達高:約34m(東日本大震災の約2倍)
地震に備えるための対策方法
地震に備えるためには、日頃から防災意識を高め、自分や家族の命を守るための準備と行動を考えておくことが重要です。
具体的には、以下のようなことが挙げられます。
- 地震の揺れを感じたら、まず身の安全を確保する。テーブルの下にもぐる、窓から離れる、火の元を消すなどの行動をとる。
- 地震の揺れが収まったら、ラジオやテレビなどの情報を確認する。地震情報や津波警報などの内容に注意する。
- 家の中で危険な場所や物を確認する。倒れた家具や落下した物を片付ける。ガスや水道などのライフラインの状況を確認する。
- 避難する必要がある場合は、持ち出し品を持って、安全な避難場所に向かう。避難する際は、靴を履いて、頭や体を保護する。高台や内陸に向かう。津波の到達範囲や避難経路を事前に確認しておく。
- 避難場所に着いたら、自分や家族の安否を確認する。安否情報を登録する。避難所のルールや指示に従う。他の避難者と協力する。
- 避難生活が長期化する場合は、生活必需品や医療品などの確保や配給に注意する。健康管理や衛生管理に気をつける。ストレスや不安などの心理的なケアも必要に応じて受ける。
以上が、石川県の地震と南海トラフ地震の関係と対策方法についての解説です。
地震は予測できない自然現象ですが、日頃からの備えと正しい知識が、地震による被害を最小限に抑えることにつながります。
地震に対する恐怖や無力感に負けずに、自分や家族の命を守るために、できることから始めてみましょう。
コメント