南海トラフ巨大地震とは、南海トラフと呼ばれる海溝に沿って発生するマグニチュード9.1程度の巨大地震のことです。
この地震は、約100年から200年に一度の頻度で発生しており、最後に起きたのは1707年の宝永地震です。
つまり、南海トラフ巨大地震は、いつ起きてもおかしくない状況にあると言えます。
南海トラフ巨大地震が起きた場合、東京はどのような被害に見舞われるのでしょうか?
東京都は、2013年に「南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定」を公表しました。
この報告書によると、以下のような被害が予想されます。
- 震度6強以上の強い揺れが約1分間続き、建物の倒壊や火災などの二次災害が発生する可能性が高い。
- 津波が東京湾や島しょ部に押し寄せ、最大で約10メートルの高さに達する場所もある。津波の到達時間は、地震発生から約30分から1時間程度と短い。
- 交通インフラやライフラインが大きく損傷し、都内の約80%の電力が停止する。水道やガスも断水や漏洩の恐れがある。
- 人的被害は、死者約2万3千人、負傷者約15万人に上ると推計される。また、避難者は約700万人に達すると予想される。
- 経済被害は、約95兆円と見積もられる。これは、東日本大震災の約1.5倍に相当する。
このように、南海トラフ巨大地震は、東京に甚大な被害をもたらす可能性があります。
しかし、被害を最小限に抑えるためには、事前の防災対策が重要です。
東京都は、以下のような防災対策を推進しています。
- 建物の耐震化や家具の固定などの住宅の安全対策の普及促進
- 津波避難ビルの整備や避難経路の表示などの津波対策の強化
- 防災用品の備蓄や避難訓練の実施などの個人・家庭の備えの啓発
- 防災ヘリコプターや消防艇などの災害対応能力の向上
- 防災無線や防災メールなどの情報伝達手段の充実
- 防災協定や防災ボランティアなどの地域の連携の促進
これらの防災対策は、南海トラフ巨大地震だけでなく、首都直下地震や台風などの他の災害にも有効です。
しかし、防災対策は、行政だけでなく、個人や家庭、地域、企業などの協力が不可欠です。
私たちは、自分の暮らしや働き方に合わせて、日頃から防災対策に取り組む必要があります。
南海トラフ巨大地震は、予測できないタイミングで発生するかもしれません。
しかし、予測できるのは、その被害の大きさと防災対策の効果です。
私たちは、被害想定を知り、防災対策を実践することで、自分や家族、友人、隣人などの命や財産を守ることができます。
南海トラフ巨大地震に備えることは、東京の未来を守ることです。
今こそ、防災について考え、行動しましょう。
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